ビジネス実務法務検定試験2級 練習問題 61:民法:危険負担の原則
民法における危険負担に関して、正しいものはどれか。
- 売買契約の成立後に、売主の責めに帰すべき事由によって目的物が滅失した場合、買主は代金の支払いを拒絶できない。
- 双務契約において当事者双方の責めに帰することができない事由で債務が履行不能となった場合、反対給付の履行を拒絶できる。
- 危険負担の規定は強行規定であるため、当事者間の特約によって民法の原則と異なる危険の移転時期を定めることは無効となる。
- 売買契約において、目的物の引渡し前に地震で目的物が滅失した場合、買主は売主に対して損害賠償を請求することができる。
- 不動産の売買において、登記を移転した時点をもって、目的物が滅失した際の危険が売主から買主に移転すると定められている。
正解と解説を見る
正解:双務契約において当事者双方の責めに帰することができない事由で債務が履行不能となった場合、反対給付の履行を拒絶できる。
双務契約(=当事者双方が互いに債務を負う契約)において、当事者双方の責めに帰すことができない事由で履行不能となった場合、反対給付の履行を拒絶できます。
【正解の理由】
民法の危険負担の原則により、不可抗力等で一方の債務が消滅した場合、相手方は自身の債務(代金支払等)の履行を拒絶することができます。
【不正解の理由】
• 「売主の責めに帰すべき事由によって目的物が滅失した場合、買主は代金の支払いを拒絶できない」という説明は誤り。売主の責任で滅失した場合は債務不履行の問題となり、買主は契約解除や履行拒絶が可能です。
• 「危険負担の規定は強行規定であるため、当事者間の特約によって民法の原則と異なる危険の移転時期を定めることは無効となる」という説明は誤り。危険負担は任意規定であり、特約で別段の定めをすることが有効です。
• 「目的物の引渡し前に地震で目的物が滅失した場合、買主は売主に対して損害賠償を請求することができる」という説明は誤り。地震など売主の責めに帰すことができない事由の場合、損害賠償請求はできません。
• 「不動産の売買において、登記を移転した時点をもって、目的物が滅失した際の危険が売主から買主に移転すると定められている」という説明は誤り。民法上、目的物の引渡しによって危険が移転するとされています。