ビジネス実務法務検定試験2級 練習問題 51:民法:同時履行の抗弁権
民法における同時履行の抗弁権について、正しいものはどれか。
- 双務契約の当事者の一方は、相手方がその債務の履行を提供するまでは、自己の債務の履行を拒むことができるのが原則である。
- 双務契約において、相手方の債務がまだ弁済期にない場合であっても、当事者の一方は自己の債務の履行をいつでも拒むことができる。
- 同時履行の抗弁権を行使して自己の債務の履行を拒絶している間も、その債務については履行遅滞に基づく損害賠償責任が発生する。
- 売買契約が当事者双方の合意によって解除された場合、各自が負う原状回復義務については同時履行の抗弁権を主張することができない。
- 同時履行の抗弁権は契約当事者間のみで認められるものであり、債権が第三者に譲渡された場合、債務者は第三者にこれを主張できない。
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正解:双務契約の当事者の一方は、相手方がその債務の履行を提供するまでは、自己の債務の履行を拒むことができるのが原則である。
双務契約の当事者の一方は、相手方がその債務の履行を提供するまでは、自己の債務の履行を拒むことができます。
【正解の理由】
双務契約(売買など、双方が互いに対価的な意味を持つ債務を負う契約)においては、公平の観点から、双方が同時に債務を履行するのが原則です。これを同時履行の抗弁権といいます。
【不正解の理由】
• 「相手方の債務がまだ弁済期にない場合であっても、当事者の一方は自己の債務の履行をいつでも拒むことができる」という説明は誤り(相手方の債務が弁済期にあることが同時履行の抗弁権の要件であり、自己が先履行義務を負う場合は拒めない)
• 「その債務については履行遅滞に基づく損害賠償責任が発生する」という説明は誤り(同時履行の抗弁権が存在している間は、履行遅滞の責任すなわち違法性が阻却され、遅延損害金は発生しない)
• 「各自が負う原状回復義務については同時履行の抗弁権を主張することができない」という説明は誤り(契約解除による原状回復義務についても、同時履行の抗弁権が準用される)
• 「債権が第三者に譲渡された場合、債務者は第三者にこれを主張できない」という説明は誤り(債権譲渡が行われても債務の同一性は保たれるため、債務者は譲受人に対しても同時履行の抗弁権を主張できる)