ビジネス実務法務検定試験2級 練習問題 33:訴訟法:立証責任の分配原則
民事訴訟における証拠と立証責任に関して、正しい説明はどれか。
- 権利の発生を主張する者は、原則としてその権利発生を基礎づける事実について立証責任を負う。
- 民事訴訟では、立証責任は常に被告側が負い、原告は事実を主張するだけで足りる。
- 民事訴訟では、裁判所が職権で全ての証拠を収集する義務を負い、当事者による立証は不要である。
- 立証責任の所在は事案ごとに裁判官が自由裁量で決定し、法律上の基準は存在しない。
- 民事訴訟における立証の程度は、刑事訴訟と同様に「合理的な疑いを差し挟む余地がない程度」の証明が常に要求される。
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正解:権利の発生を主張する者は、原則としてその権利発生を基礎づける事実について立証責任を負う。
民事訴訟における立証責任の分配は、法律要件分類説に基づき、権利の発生・変更・消滅等を主張する当事者がそれぞれの要件事実について立証責任を負うのが原則である。
【正解の理由】
権利発生を主張する者(多くの場合原告)が、その権利の発生を基礎づける要件事実について立証責任を負うという考え方が、民事訴訟の伝統的な通説(法律要件分類説)である。
【不正解の理由】
• 「立証責任は常に被告側が負う」という説明は誤り。立証責任は請求原因事実か抗弁事実かなど、主張する事実の性質によって原告・被告のいずれにも配分される。
• 「裁判所が職権で全ての証拠を収集し、当事者の立証は不要」という説明は誤り。民事訴訟は原則として当事者主義(弁論主義)が採られ、証拠収集・提出は当事者の責任である。
• 「立証責任の所在は裁判官が自由裁量で決定し、法律上の基準は存在しない」という説明は誤り。立証責任の分配には確立した法理論上の基準が存在する。
• 「合理的な疑いを差し挟む余地がない程度の証明が常に要求される」という説明は誤り。これは刑事訴訟における証明基準であり、民事訴訟では「高度の蓋然性」の証明で足りるとされる。