ビジネス実務法務検定試験2級 練習問題 59:商法:手形法(効力)
約束手形の裏書譲渡およびそれに伴う効力に関して、正しいものはどれか。
- 裏書によって手形を譲渡した場合、裏書人はその後の手形の引受けや支払いについて一切責任を負わなくなる。
- 裏書は手形の表面に行わなければ効力が生じず、手形の裏面や補箋に記載された裏書はすべて無効とされる。
- 手形の裏書譲渡を受けた者は、手形を呈示して支払いを請求する権利を取得し、これを権利移転的効力と呼ぶ。
- 満期日を過ぎてから行われた期限後裏書であっても、期限前の裏書と全く同じ法的効力が全面的に認められる。
- 振出人は、受取人に対する抗弁(原因関係の消滅など)を理由に、善意の第三者である所持人にも支払いを拒める。
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正解:手形の裏書譲渡を受けた者は、手形を呈示して支払いを請求する権利を取得し、これを権利移転的効力と呼ぶ。
裏書によって手形上の権利が譲受人に移転する効力(権利移転的効力)について正しく述べているため、該当する説明が正解です。
【正解の理由】
手形を裏書譲渡することにより、裏書人から被裏書人(譲受人)に対して手形上の権利が移転します。これを裏書の「権利移転的効力」と呼び、譲受人は満期日に支払請求をする権利を取得します。
【不正解の理由】
• 『裏書によって手形を譲渡した場合、裏書人はその後の手形の引受けや支払いについて一切責任を負わなくなる。』という説明は誤り。裏書人は、原則として後者の所持人に対して手形の支払いを担保する責任(担保的効力)を負います。
• 『裏書は手形の表面に行わなければ効力が生じず、手形の裏面や補箋に記載された裏書はすべて無効とされる。』という説明は誤り。裏書は手形の裏面または補箋(ほせん=手形に貼り付ける紙)に記載して行うのが原則です。
• 『満期日を過ぎてから行われた期限後裏書であっても、期限前の裏書と全く同じ法的効力が全面的に認められる。』という説明は誤り。支払拒絶証書作成後またはその期間経過後の「期限後裏書」は、単なる指名債権譲渡の効力しか持ちません。
• 『振出人は、受取人に対する抗弁(原因関係の消滅など)を理由に、善意の第三者である所持人にも支払いを拒める。』という説明は誤り。手形が裏書譲渡された場合、振出人は前の所持人に対する抗弁をもって、善意の新しい所持人に対抗することはできません(人的抗弁の切断)。